photo credit: Aoyama Gakuin University Sagamihara Campus
青山学院大学では、秋学期からの半期授業としてIngressを扱う授業を開講する予定です。全ての学部に所属する学生が単位取得可能というこの授業、いったいどんな経緯で出来上がり、どんな内容を扱うのでしょうか。同大学 地球社会共生学部で空間情報学、地図学を専門に研究している古橋教授にお話を聞かせていただきました。
研究内容と、授業の内容
普段の研究内容と、Ingressの授業で扱う内容について教えてください。
専門は空間情報学、地図学です。
GPSや、人工衛星画像/無人機空撮画像、パノラマ画像などを駆使して、デジタルデータとしての地図を作成、活用する研究を行っています。
Ingressの授業は、単なるツールの使い方ではなく、Ingressを用いた地域コミュニティへのコミットの仕方を学び、学生自ら新しい Ingress の使い方を模索していく内容になります。
「新しいIngressの使い方を模索していく内容」…もちろん単にIngressをすれば単位を取れるわけではありません。Ingressに起こった様々な事象を扱い、議論・実践していくとのこと。
今回の授業では、ShoninでのトラブルなどIngressの負の部分ももちろん教えます。Googleも、完璧ではないですし、あの様なトラブルをどうやったら防げたのかなど、学生と具体的な改善提案まで含めて議論・実践してもらいます。つまり、この授業は単にIngressのレベルが上がっただけでは簡単に単位が取れない仕掛けになっています。
同氏のFacebookコメントより
Ingressを授業に取り入れようと思ったきっかけ
photo credit: 12/52 – Chalk
位置情報を扱うゲームは沢山ある中で、今回なぜIngressを授業に取り入れようと思ったのでしょうか。
授業にIngressを取り入れようと思ったキッカケは何ですか?
きっかけはリアキャプですね。位置ゲームでリアルに地元の人とつながって、HOに参加してオフ会に参加したり、各種イベントに参加したりと、ゲームと実世界がここまで繋がった仕組みは初めての体験でした。
所属する地球社会共生学部は、いわゆるグローバル系の学部の中でも、”Collaboration” を重視した、社会課題解決型の教育を行います。同じエリアで生活している世代の異なる人たちを、繋ぎ合わせる一つのコラボレーションツールとしてIngressをうまく活用できる人材育成が必要と考えています。
とても共感します!Ingressは外に出ることがしばしばフォーカスされますが、ジョンハンケ氏はそれと同じぐらいに「コミュニケーション」も重視してIngressを作っていますもんね。
素人見解ですが、今の時代は、「偶然繋がる」というのがほぼ不可能で、同年代だったり趣味が同じだったりしないと、繋がれないのではと思っています。そこでIngressを、世代の違う人との偶然の繋がり(からの社会課題の発見など)をもたらすツールとして活用する、そんなイメージでしょうか。
(※ちょっとでしゃばる管理人の図)
はい、Ingressが完璧とは全く思いませんが、コミュニケーションツールとしての今までの位置ゲームの壁を壊したことは間違いないです。
葛藤や周りからの反応は
授業にゲームを取り入れるにあたって、どんな葛藤があったのか、周りからの反応はどんなものだったのかも教えてくださいました。
葛藤、周りからの反応などはいかがでしたか?
葛藤は、Ingressが、Googleの都合で突然サービス終了になるリスクを背負っていることです。周りからは、受講したいとの声をたくさんいただいています。
やはり人気なようで、開講前から受講したいとの声は集まっているようです。また、確定はしていないものの、今後は地域の人や社会人のも参加できる「Ingress公開講座」の開催も考えているとのことです。古橋教授はつい先日、秋の開講へ向けて青山学院大学相模原キャンパスのポータル申請を終えたばかり。準備は着々と進んでいます。
(´-`).。oO(地図の専門家が開くIngress公開講座、超行きたい。)
source : Ingress(イングレス)速報